No.57-1 ソノマのブドウ



ソノマのブドウ

その昔、プレスがホットなワイナリーのひとつとしてローレル・グレンの名前をあげていたころ、冗談半分にある人が「もしローレル・グレンがナパにあったら、もっともっと注目を浴びたんだろうね」と言った。本当だと思った。

最近の話。中国が新興ワイン購入国として台頭している。中国のバイヤーはソノマのワインと知らずに味わって、「いいね」といっても、そのワインがナパのワインじゃないとわかると買わないことがほとんどだという。今、中国ではナパ・ヴァレーとラベルに記載されていると、質はそこそこで値段が高くても売れるのだそうだ。逆にソノマのワインは高品質でもなかなか売れない。日本もそういう時代があったよね。もしかしたら、地方へ行くと今でもそうかも、、、、。

ナパ・ヴァレーのワイナリーがトップクラスのワインに加えて、その下のレベルのワインを出そうと計画したときに、ナパ・ヴァレーのブドウは高すぎて経済的に採算が合わない。それでソノマ・カウンティのブドウを買って造るワイナリーが増えてきている。

例えばFolie a Deuxはソノマ・カウンティというカテゴリーで生産しているワインのラインアップをアップグレードしているし、CK Mondavi (Charles Krug のセカンドワインになるのだと思う)はアレクサンダー・ヴァレーのカベルネを探しているという。

また多くのワイナリーがロシアン・リヴァー・ヴァレーのピノ・ノワールを買おうとしている。 Duckhornは Decoyのブランドをロシアン・リヴァー・ヴァレーのブドウで造っていて、このブランド専用のオフィスをソノマ・カウンティに持っている。

2010年と2011年は収穫量が少なかったから、ソノマ・カウンティのブドウの価格も上がるだろう。そうするとこのレベルと価格帯のワインを生産するためにモントレー・カウンティとかメンドシーノ・カウンティのブドウを買うことになっていくのだろうけれど、今のところは品質が保証されたソノマ・カウンティのブドウを求めているワイナリーが多い。

ソノマに住む者としては、ちょっと複雑な気持ち。