2013年アメリカのワイン市場動向
ワイン産業コンサルタント会社の2013年のアメリカワイン市場のレポートからの紹介です。
アメリカのワイン販売は2.7%上昇したが、速度が落ちている。
2010年と2011年のブドウの収穫量が少なく、2011年にワインの在庫がなくなってしまった。収穫量が少なかったためにブドウの価格が上がり、ワイナリーによってはワインの価格を上げた。その結果、特にフレンドリー価格のワインの売上げが落ちたのが、2013年の売上げ速度低下の理由のひとしている。
またクラフトビール(地ビール?)とスピリッツの売り上げが増加しつつあり、ワインとの競争が激しくなっている。
今のところアメリカの30歳以上の消費者はビールよりワインと蒸留酒を好むという傾向が続いている。1994年(20年前)は同年齢層の消費者の71%はワインと蒸留酒よりビールを好んでいたのだが、2013年は41%がビールを好むというワイン業界にとっては好ましい状況だ。しかしワイン業界はこの傾向に安心しているわけにはいかない。
ビール業界は挽回を狙っている。ワイン業界は消費者の関心を引くように販売方法を刷新する必要があると忠告。ワインの豪華なイメージをビール業界が真似し始めていて、ビールソムリエが登場している。
サンタ・ローザ(ソノマ・カウンティ)のRussian River Brewing Co.はカルトワインじゃないけれど、カルト的なビールPliny the Youngerを毎年2月にリリースしていて、朝の5時から列を作ってリリースを待つといった現象が生まれている。多分、日本からもやってきてると思うよ。
アメリカ産のワインは輸入ワインとの競争も強いられている。Tabacco Tax and Trade Bureau は10万のラベルを認定したという。特にフランスは2万6340の新ラベルを申請、一方カリフォルニアは2万1445の新ラベルが加えられたそうで、フランスの攻勢が目覚しい。
ワインの店頭販売
ピノ・グリの店頭販売が6%増、ピノ・ノワールは10-14ドルの価格帯が20%増、14-20ドルは15%増、20ドル以上が13%増とピノ人気が伺われる。
シャルドネは3―7ドルの価格帯は減、10-14%が7%増となっている。
とはいえ依然として販売額でいくと依然としてトップはシャルドネ、次はカベルネ・ソーヴィニヨンとなっている。
レストランのワインの売れ行きはひところのようにバンバン売れたという時代はまだ戻っていない。
好調を誇る大手ブランドとしてE&J Gallo, Constelation Brand, Jackson Family Wines, Bogle Vineyards があげられている。
Jackson Family Wines の数ワイナリーのワインは日本に輸入されていると思うけれど、フレンドリー価格のワインは、多分入っていないと思う。
もしこのブランドを輸入したいというインポーターがあったとしたら、この会社の超積極的な販売策とその量に圧倒されて、KJ専用のインポーターになってしまいかねないよね。