Hirch Vineyards のジャスミン

In pursuit of Balanceの最終テイスティング

濃くてアルコール度の高いタイプのピノが多く出回るようになったことから、アルコール度が極端に高くないバランスのとれた、本来のピノ・ノワール種が持っているデリケートな個性を生かしたスタイルのピノ造りへと一石を投じた組織、In Pursuit of Balance が解散を発表、そして最後の試飲会(35ワイナリー参加)がサンフランシスコで開催されました。

会場はこの組織が初めて開催した会場、RN74。毎年試飲会に参加してきました。

サンフランシスコで最もホットな試飲会として、会場はいつも熱気に満ちていて、開催時間前から長い列ができていたものです。

最後だからすごく混んでいるだろうと思って出かけたのですが、全然混んでいませんでした。試飲しやすくて私は嬉しかったですが、拍子抜け。この組織はもう過去のものとして受け止められたのかもしれませんね。

Sandhi Wines のラジャー・パー

組織の立役者であるSandhi Wines のラジャー パーも彼のブースの前でゆったりしています。

「組織解散でほっとしている?」と声をかけたら、「イエス!もう6年も続けたから」とにっこり。

「日本の皆さんにメッセージがありますか?」

「同じコンセプトを掲げて、何人かでまた日本へ行きます。これで終わったわけではありません」

Hirsch Vineyards のジャスミンもメッセージをくれました。

「組織はなくなったけれど、組織が掲げてきたメッセージはこれからも継続します」

RN74試飲会場

全体の印象です。

フルーツの味があまりなくて、こんなワインだよって語りかけてくれないワイン、無表情(?)個性に欠けるワインが例年より多かったです。それと全房を使っているのはいいけれど、程よいスパイスを超えてくきの香りと味わいが強いワイン(この香りと味わいが好きな人もいると思います)も多かったです。還元臭がちょっと気になるワインも2、3ありました。

ヴィンテージのせいかもしれないと思ってThe Ojai Vineyard のアダムに聞いてみました。

明確な答えはもらえませんでしたが「2014年と2015年は温暖な年(generous、という言葉を使ってました)だった。2016年はスーパーグッド」ということでした。この辺りは一対一で時間のあるときに、しっかりと聞いてみないことにはなんとも言えません。

ちなみにあるサイトでは2014年は旱魃2年目、突然暑くなる日がなくフレッシュなフルーツと酸がキープできた年で、ピノには良い年だったとありました。

構成がしっかりとしたタイプ:

Ojai Kessler-Hoak, Sta.Rita Hills 2014

Littorai Platt Vineyard Sonoma Coast 2014

Drew Estate Field-Selections Mendocino Ridge 2014

Big Basin Woodruff Family Vineyard Santa Cruz Mountain 2013

真ん中くらいのタイプで美味しかった:

Littorai Pivat vineyard Sonoma Coast 2014

Hirsch San Andreas Fault Sonoma Coast 2013

Fogarty Rapley Trail Santa Cruz Mountain 2013

Tyler La Rinconada Sta.Rita Hills 2014

Knez Demuth Anderon valley 2014

スタイルが変わっていて私は良かったなと思ったワイン:

Kutch Sonoma Coast 2014

Twomey Cellars Monument Tree Anderson Valley 2014

軽やかでエレガント

Domaine de la Cote Bloom’s Field Sta.Rita Hills 2014

Ceritas Hacienda Secoya Vineyard Anderson Valley 2014

Hanzell Vineyard Sonoma valley 2013

一つのコンセプトを持って造ったピノとシャルドネを一つの場所で試飲できる機会がなくなってしまって残念。小さなワイナリーが多いのでテイスティングをする機会があまりありません。これからはこういったワインは、どう変化していくのでしょう。それを追いかけるには、ワインリストにこういったワインを載せているレストランへ行くしかないですね。