No.37 ロッソ&ビアンコ

No. 35 Date:2008-11-28

ゴッドファーザーなどの映画で知られるフランシス・コッポラがナパ・ヴァレーのイングルヌック・ワイナリーを買い取って、ニエバム・コッポラというワイナリーを設立したのは、もうかなり以前のこと。
それからソノマ・カウンティの北にあるシャトー・スーヴェレンというワイナリーを買い取って、プレミアムワイン生産ワイナリーとデイリーワイン生産ワイナリーとに分けた。ナパ・ヴァレーのワイナリーは、もちろんプレミアム生産ワイナリーでルビコン・エステートと名前を変えた。ソノマのほうのワイナリーはロッソ&ビアンコという名前で、ワインを生産しながら、大改築を進めている。
このワイナリーの構想は半端じゃない。シャトー・スーヴェレンのワイナリーの旗印だったユニークな三角屋根のタワーは残して、テイスティングルームはもちろんのこと、90席はあるというレストラン、映画で使われた衣装の展示室、プールと急ピッチで来年の夏の完成に向けて工事中だ。
カリフォルニアを南北に走る州道101を北に向かって走り、ヒールズバーグの町を越して15分ほどすると左側に見える。かなり北に来ている、例えばサンフランシスコから来るとなると遠いなあという印象をもつ。実際にはヒールズバーグの町から15分以内だ。
こんな遠くまでデイリーワインのテイスティングに来る人が何人いるのだろうかと思った。そこでこの改築プランを見てなるほどと納得。子供連れの家族が1日楽しめるのだ。まずプール。小さなバンガローを借りることが出来る。お祝い事などのイベントにもぴったり。もちろん結婚式も。レストランも大きい。この日出されたランチはとても美味しかった。
ワインは超高級ワインに比べると、手ごろな価格帯。
初めてこのワイナリーのラインナップであるワインをテイスティングした。
★Diamond Collection
ピノ・グリ、ヴィオニエ、アリカンテ・ブシェが出されている。 15ドル前後の価格帯で、飲みやすいきれいなワイン。ピノ・グリがよかった。
★Director’s Cut
ジンファンデル(ドライ・クリーク・ヴァレー)23ドル。フルーティで軽めのジンファンデル。
★Reserve
2006年シラー(マウンツ・ヴィンヤード、ドライ・クリーク)32ドル。ちょっと個性に欠けているかも。
2006年カベルネ・ソーヴィニヨン(サムズ・ヴィンヤード、アレキサンダー・ヴァレー)45ドル。単一畑。アレキサンダー・ヴァレーらしいソフトさと軽やかさが特色。
★A Votre Sante
10月1日にリリースされた新しいライン。ボトルのデザインが斬新。
2007年ピノ・ノワール(ソノマ・コースト)ルビー系の赤いフルーツ。軽やかなタイプ。26ドル
2007年シャルドネ(ソノマ・コースト)親しみがあって飲みやすく美味しいシャルドネ。24ドル

大型ワイナリー(セラーのステンレスの発酵タンクの数を見ても半端じゃない)なのだけれど、フランシス・コッポラのイタリアのファミリーのイメージで運営するという。ファンシーなワインじゃないけれど、毎日、家族がテーブルを囲んで楽しめるワインというコンセプト。醸造責任者のコレイ・ベックはソノマ・カウンティのナイツ・ヴァレーで生まれて育ったという土地っ子。ワイン造りについて一生懸命に話してくれる。カジュアルで誠実なイメージがいい。大型ワイナリーの管理者というイメージではないのが、このワイナリーのコンセプトにマッチしている。
デイリーワインと書いたけれど、デイリーワイン、プラス、親しみやすくて飲みやすい、中価格帯のワインと、プレミアムワインも生産している。
完成したら、ちょっとした話題になるだろう。