Wine on Tap




ワイン・オン・タップ

最近、ナパの街はアクティヴになった。以前はセント・ヘレナのワインバーやレストランに、行く人が多かったけれど、今は、ナパの町にやってくる。

特にナパ川に沿って、新しい分譲マンションが並んで建ち、一階は話題のレストランがオープン。また古い倉庫が改造されて、ここにもレストラン、ギフトショップ、ワインバーが入っている。川沿いの散歩道は豪華でエキゾチックな花々が植えられて、なかなかの風情だ。車で川の向こう側の道から、この辺りを見ると、ヨーロッパ、(私にはイタリアの海辺の町)の港町をイメージしたデザインとなっている。

ここにMorimoto(アメリカのアイロン・シェフの一人), Fish Story(マリーンの良く知られるレストランが出した魚料理専門レストラン), Rotisserie & wine(フードチャンネルで番組を持っているセレブ、タイラー・フローレンスがオープン)などが店をオープンしたことから、いろんな人がやってくる。

そのレストランのひとつFish Storyへランチに行った。魚料理は例えばニジマスのローストなど、開いた魚の上に程よくローストしてきれいに刻んだ味のいいニンジン、タマネギの酢づけ、ベービーブロッコリー等がのせてあって、淡白なニジマスにほどよい風味を加えられて美味しかった。

ワインリストもなかなかのもの。ただ高いだけではなく手ごろな価格から高額までバランスよく載っている。興味をそそられたのが、オン・タップのワイン。生ビールと同じようにカウンターに設置してある器具からワインをグラスに注ぐ。

この週はセインツベリーの2009年カーネロス・シャルドネ、カレラの2009年セントラル・コースト、シャルドネを始め、全部で6ワインがオン・タップのメニューに載っていた。味わいはどれもフレッシュ。そして瓶詰めのコストがかかっていない分、ボトルよりすごく安いということはないけれど、リーズナブル。ちなみにセインツベリーのシャルドネは1グラスが$7.75、0.5リットルで$17、1リットルだと$32、カレラはグラスが$11、0.5リットルが$24、1リットルが$46だった。

生ビールと同じようにワイナリーはステンレスの小型タンクに入れて、レストランに卸す。温度調節されている別室に小型タンクを置いて、そこからパイプでカウンターまでアルゴンガスで送り込む。

ボトルのコルクをサーバーが抜いて、香りを確かめて、という儀式が好きな人には物足りないかもしれないけれど、グラスワインをオーダーするなら、フルーティさがしっかりと保たれてフレッシュなので、私は大歓迎。ただし質のいいものであって価格がリーズナブルでなければならない。

ガラス、コルク、キャプセルを使わないから環境保護につながる。環境保護を支持するワイナリーや高級レストランがこのコンセプトを受け入れて、オン・タップのワインの需要が増えるだろう。

例えばこのレストランは食材に使う魚類はモントレー水族館のシーフッド・ウオッチ・プログラムのそって買っている。

オン・タップのワインは質はまあまあで安いだけというイメージが広がってしまったら、高級ワイナリーやレストランでは使わなくなってしまうだろう。

それでもグラス売りでオープンして何日もたったワインを出されるよりは、オン・タップのほうがフレッシュなので、その点では利点がある。

どこまで普及するのか興味深い。