No.57-1 フォアグラ、その後

 

フォアグラ、その後

カリフォルニア州内でのフォアグラ生産と販売が7月から禁止になったことは前号で書いた。禁止の理由は動物愛護の組織がカモやガンに餌をむさぼり食わせて肥大化した肝臓を、人間が食するのは動物虐待だというので、反対したもの。

でもレストランのシェフたちはしっかりと抜け穴を見つけて、フォアグラを出している。

サンフランシスコのゴールデンゲートの近くに元軍隊が所有していたベースがある。将校たちが住んでいたんだろうなと想像できる素敵な建物が並んでいる。時々この中の建物でティスティングが開催されている。ここにPresidio Social Clubという高級レストランがあるんだけれど、このレストランで、フォアグラをメニューに載せ始めた。その理由はこの元ベースは、今も連邦が所有しているので、カリフォルニア州の法律は、連邦が所有している土地には適用されないというのがその理由。そのうち動物愛護団体が寄付金をしっかり集めて、訴訟を起こすかもね。いたちごっこ。

また他のレストランはフォアグラをただで食べさせている。法律は販売を禁止しているけれど、ただで食べてもらうのは違反とは明確に記されていないと主張。

サンフランシスコにあるレストラン、Palio d’Asti はお客さんが持参したフォアグラを当店のシェフが料理しますとしている。

レストラン・アソシエーションは「この法律はどこまでが違反で、どこまでが合法なのか、明確ではないからこういう事態が生じる」とコメント。

同規則の設定に力を入れた元州議会の議員は「法理を守らないなんて、恥を知れ」と不機嫌。

この法律を基づいて違反かどうかを調査するのはどの事務所の管轄になるのかも、不明確。不景気で予算を大幅に削除されている州の調査機関は人手が足りないから、そこまで手が回らないといってる。

ちょっとばかばかしくって愉快。もっとも動物愛護の方たちにとってはとっても大切なことなんでしょうけれど。  

 写真はWikipediaからの転載です。