No.29 西オーストラリア・ワイン・テイスティング

No. 29  Date:2007-07-12

西オーストラリア ワイン テイスティング
  オーストラリア ワインというとカンガルーのラベルの濃いワイン、バロッサ・ヴァレーなどで造られているシラーズが典型的なワインだと思い込んでいた。ところが西オーストラリアは、全く違うタイプのワインが生産されている。涼しい地区なので、特にリースリングがいい。価格も手ごろだ。カリフォルニアでは10ドルから20ドルほどで、酸味のきれいなこの産地のリースリングが手に入る。

西オーストラリアは1960年代にブドウ栽培に適していると認識されて、開発され、1980年、1990年と順調に発展してきている。今は9つの地区があって、1996年には100のワイナリーが存在していたのが、2006年には350のワイナリーが存在する。そして9つの地区の気候、土壌等が違うから、西オーストラリアは、全体の印象をわかったように分析するのは間違いだとは思うものの、私の印象としては白ワインの地区かなと思う。でも生産割合は赤が48%、白が54%と、それほど大きな差がない。トップ10の輸出国にアメリカと日本が入っている。 今回は20ほどのワイナリーがサンフランシスコにやってきた。

限られた時間内でテイスティングした白ワインで印象に残ったもの:
Fonty's Pool 2006年ソーヴィニヨン・ブラン/セミヨン
Madfish 2006年リースリング
Howard Park 1997年リースリング
Leeuwin Estate 2005年アートシリーズ・リースリング
Vasse Felix 2004年 Heytesburyシャルドネ

西オーストラリアワインの熟成を探るセミナーに出席させていただいた。オーストラリア英語に耳がなれていないので、エイジビリティ(agebility)がアイジバリティ、テイスト(taste)がタイスト、シャードネイ(chardonnay)がシャードナイと発音されるので、慣れるまでちょっと苦しかった。

Salitage
1999年、2002年、2005年のシャルドネを試飲。
99年は程よいキャラメル香が感じられ、上品な酸味が心地よく、火打石、ミネラルの風味と香りのフィニッシュ。
2002年はきれいなフルーツが印象的で辛口。
2005年はシャルドネの品種の香りとミネラル。3つともふくよかな味わいが共通。上品で味覚が疲れないのが嬉しい。

Vasse Felix
1996年(87%カベルネ・ソーヴィニヨン、8%メルロー、5%カベルネ・フラン)はトップノーズにゼラニューム、干草が湿ったときの香り。
2000年(71%カベルネ・ソーヴィニヨン、11%マルベック、9%メルロー、6%シラーズ、3%カベルネ・フラン)は、ほど良いカシス、チョコ、猟鳥の香り。軽やかでナイスフィニッシュ。 
2003年(82%カベルネ・ソーヴィニヨン、9%シラーズ、9%マルベック、2%メルロー)はカシスの香り、クールな感触。でも前の二つよりもう少しパワーがある。造り方が変わってきているのだろう。それでも軽やかでエレガントなタイプだ。
パーカーとかワイン・スペクテーター誌が高い点を付けて勧めるタイプのワインではないけれど、ちょっと前までのボルドーワインが恋しい人には嬉しいワインかも。食べ物と一緒に飽きずに楽しめるワインだ。興味深いのはアルコール度が14.5%というように、決してアルコール度が低いワインではないのに、アルコールから来る熱さ?が感じられなかった。