No.38 外食産業不況

No. 38 Date:2009-02-22

外食産業不況

アメリカは不景気風がぶんぶん吹いている。失業率は7%(カリフォルニアは9 %という声も聞く)。ひところ下がっていたガソリン代も徐々にまた上がりだした。車を買いたくてもローンが組めない。ソノマの町でも長い間オープンしていたビジネスが閉店を余儀なくされている。
クレジットカードでがんがん借金をして返す能力を超えた消費をする時代がアメリカしいては世界の経済をひっぱて来た。返済不可能な金額のローンを組み、失業したり、収入激減でローンを返せずに抵当流れで、あちこちに売り家の標識が立っている。
こんな状況で何を節約するのか。まずはガソリン代を節約、遠出をしない。休暇の予定日を延期する。外食をしない。こんなところから節約を始める。
レストラン業界専門のリサーチ社のデーターによると、外食する人がめっきりと減っているという。客が減少、アルコール飲料をオーダーする量が25%減、 22%の客は価格が1ランク低いワインをオーダーしている。気軽にカジュアルなレストランで外食をしていた人々が倹約を始めたため、カジュアルレストラン が大きな影響を受けている。高級レストランでの食事が減ってダメージを受けているのは、カリフォルニアとフロリダで、50%減だという。ワイン業界にとっ て頭が痛いのは、ワインをオーダーせずにビールで我慢する客が増えていることだ。
高級レストランは1本25ドルで仕入れたワインを75ドルで売る。利益は50ドル。それを良心的に50ドルで売ったらいいと思う。それでも利益は25ドル。ビールを飲むお客さんをワインに取り戻せるのでは?ビールよりワインほうが利潤がいいはず。
外食を慎む人たちが増えているけれど、やっぱりワインを飲みたいという人たちがスーパーで10ドル以下のワインを買っている。ガロタイプのワイナリーは大繁盛とか。
お金持ちは永久にお金持ちだ。お金持ちの知人は株で損をしたと、とても神経質になっているけれど、それはその人が持っているお金にもリミットがあるという ことを生まれて初めて知ったということで、それでもまだお金持ちであることには変わりがない。こういう裕福層でワインが好きな人は高級レストランへ行って 食べる経済力はあっても、こんなご時勢に贅沢をしているといわれたくないからレストランへ行かないで、家で高級ワインを飲んでいるはず。超高級ワイナリー は高額ワインをメーリングリストで裕福層に売っていける。中程度のお金持ちだった人たちのなかには、こういうワインを買えない人も出ているから、高級ワイ ナリーといえどもこの不景気金融恐慌の影響は受けている。
これまで高級レストランとDMでしか目に入らなかったワインが、ワインショップに並ぶようになるだろう。飲んでみたかったワインを手に入れるチャンス。買う側の私たちに、それを買うだけの余裕があればという話だけどね。