No. 37 Date:2008-11-28

ドル安の影響

ドルが弱いということはヨーロッパへ行くと実感する。ソノマで飲むカプチーノは3ドル、場所によっては3ドル50セント。それがヨーロッパへ行くとドルが 弱いから6ドル、7ドル、ロンドンで飲むと9ドルになる。アメリカ経済をむちゃくちゃにしたブッシュ政権にため息。あーあ。
ドルが弱いことがワイン業界にも影響している。良い面はヨーロッパからのツーリストが多くなったこと。地元のワインショップのダンに「景気はどう?」と聞 いたら「うん、まあまあかな。イギリス人がたくさんこの店にやってくるよ。でも彼らが買うワインは6ドルとか7ドルの安いワインばかりだよ」と嘆いてい た。
シャトー・コス・デストゥネルがシャトー・モンテレーナを買収したことは、ボトルショックの記事で書いた。
今、ドルが弱いから、ヨーロッパのバイヤーがカリフォルニアのワイナリーを買うとしたら、安く買うことが出来る。数年前に比べると、シャトー・コス・デストゥネルはかなり安くシャトーモントレーナを買えたわけだ。
今、銀行からの融資が簡単に出来ない状況にあるから、経営危機に陥るワイナリーが出てくるだろう。そしてヨーロッパの企業がワイナリーを買収という記事が しばしば目に留まる状況が来るかもしれない。ここまで書いて、でもアメリカの不況が世界中に影響するから、どうかなという気もしている。
ドル安が影響して、フランスワインのアメリカへの輸出に二つの現象が起きている。アメリカへの輸出がボリュームでは8.7%落ちているのに、金額だと 8.2%上がっているというのだ。という事は、フランスワインは輸出の数は減っているけれども、高いワインを買う人が多いということになる。いつものこと だけれど、お金持ちは永久にお金持ちだから、不景気はあまり関係ない。だから高級ワインを買い続ける。でもそれほどお金持ちではない消費者はフランスのデ イリーワインを買う数が減っているということだ。
2005年のボルドー人気は東海岸で衰えていないそうだけれど、ヴァン・ド・ターブル、ヴァン・ド・ペイを買う人が減っている。