ソノマの暮らしブログ

カリフォルニア州ソノマに住んで25年。第二の故郷と決めた美しいワインカントリーで、ワインを追いかけて暮らしています。

散歩とお弁当

ソノマ市が設置した散歩道を歩くことに加えて、もう一つの楽しみを見つけました。

ウオーキングの後に、お弁当を食べることを思いついたのです。

お弁当を食べる前に散歩道をウキウキしながら30分歩きます。早くお弁当が食べたくて急ぎ足になります(笑)

一人でお弁当食べる(ピクニック)場所は散道の終わり(始め)にあるセバスチャーニという大きなワイナリーのブドウ畑です。畑に沿って芝生があってピクニックにぴったりの場所があるのを知りました。

家族連れやカップルが数人同じようにランチを楽しんでいますが、かなり離れているので、一人という感じにさせてくれます。時々若い女の子が一人で囲まれている木々にハンモックをかけて休んでます。

芝生にサイドに小さなテーブルが付いた折り畳み式の軽い椅子(いつも車に積んであります)を置いて、ブドウ畑を後ろに、道路を向こうの遠くに見える小高い山とブドウ畑を眺めながら、お弁当を食べます。

アマゾンで日本のお弁当ボックスをみつけたので購入しました。それに5時間温度が落ちないという保温マグも買いました。

お弁当に卵焼きは絶対に欠かせません。お弁当には必ず卵焼きを詰めます。母が作ってくれた卵焼きの味からちょっと外れるけれど、卵焼きを口に含むと母を思い出して、幸せな気持ちになります。

一人でランチって寂しくない?って思う方もいらっしゃるかもしれませんね。お友達と一緒も楽しいですが、一人でお弁当を食べる時間も大好きです。開放感が最高です。

一度だけ、ピクニックエリアがあるワイナリーの庭でレイが付き合ってくれて一緒にお弁当を食べました。楽しかったです。でもなかなかレイとのスケジュールが合わなくて、今のところ、一人の時間を満喫中です。

我が家の裏庭でソノマ山を見ながら食べるランチもいいですが、家を出て車で20分のワイナリーのブドウ畑のそばでひと時を過ごすのもまたいいものです。

私は一人でレストランやカフェへ行ってコーヒーやランチを楽しむのが好きです。コロナで行かれなくなったこの時期、お弁当を食べるのがそれと同じくらいの幸せ感をくれます。カフェだとブログを書いたり本を読んだりできるけれど、ピクニックは書くことができないのが、少し残念ですが、綺麗な空気を吸って、ミュージックを聴きながらゆったりと景色を眺めると、自由に外出できないストレスが和らぎます。

一人でウオーキングをしている女性が、にっこりして手を振って通り過ぎていきます。

初めてお弁当を食べた時のことです。通り過ぎる車が、私の目の前で必ずゆっくりになるのです。

「日本人が一人でお弁当を食べてるのが珍しくて車のスピードを落とすのかしら」と、ちょっと神経質になってしまいました。ふと右を見上げると、道路が盛り上がっていることを知らせるブBUMPという標識があるではありませんか(笑)。ここを通る時、車はスピードを落とさなければならないのです。自意識過剰!

日本式のお弁当箱の次にアメリカ製のサラダランチ用の容器を見つけました。さすがはアメリカ製、でかい!

1段目はサラダのドレッシングが入る小さな容器と3箇所にチーズとかクラッカーとかを入れることができるように3つに区切られています。2段目はサラダ野菜がたっぷり入ります。

30分の散歩で少し汗ばんだ時に食べるサラダの味も、また美味しいものですね。

食後はポットに入れてきた紅茶でクッキーを食べます。嬉しさで顔がほころびます。単純な私です。

ある日、リードをはずした中くらいの白い犬と中年の男性が、芝生を歩いて近づいてきました。本当はリードを外したらいいけないんだけど、、。ふと見ると犬が用を足しているではありませんか!

「うわ、今、ランチ、食べてるんだけど」と顔をしかめてしまいました。

何気なさそうに私の前を通過。そして帰りなのでしょう。戻ってきました。

やってきた方に戻って行ったので、そっと見たら、なんとその辺りでうろうろしてるではありませんか。近づいて話しかけてきたら「一人を楽しんでるんだから邪魔しないで」ときっぱり言うか、それとも、お弁当を食べ終わってたので、紅茶はあきらめて帰り支度をしようかと考えてました。すると犬が用を足した辺りをうろうろしていたようで、糞を見つけてビニールの袋に入れてゴミ箱へ捨てるところでした。散歩道とこの芝生にはビニーツブ袋とゴミ箱が用意されています。

きちんとマナーを守る男性だったのです。

アメリカ暮らしが長くなったせいかと思いますが、まず瞬間的に否定的に(特に男性)人を見るようになっている自分に気がつきました。

雨季なので雨が降ってますが、晴れたら合間を縫ってお弁当と散歩ができる日を楽しみにしてます。

冬の日中の気温が13-17℃のソノマだからできる楽しみですね。

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古い樹と私の手

最近のアメリカはカリフォルニアも例外なく、そしてソノマもコロナの感染率が急増、一向に減る様子がありません。カリフォルニアは夜の10時から朝の5時まで外出禁止令が出てしまいました。

11月26日は感謝祭。何十年も親友のカップル宅で13人ほどで感謝祭を祝っていたのですが、今年は家族だけで食事をしました

私の暮らしは3月と同じ。外出を控えて、知り合いのカップルと庭で2メートリ離れて「ハピーアワー」と称してワイン飲みながらだべるのが2週間に一度くらい。

最近の楽しみは街に作られている散歩道をミュジックを聞きながら1時間ほど歩くことくらいです(ため息)

散歩道の入り口に大きなカシの木があります。

葉が落ちた裸木に関心が向いたのは昨年の冬。年輪を重ねて優雅に曲がっている枝を眺めて、葉が落ちた木って美しいものだなって思いました。

今まで、葉が覆っている木の形を見て、木々の美しさを楽しんでいたのですが、裸の木々の美しさを発見してその美しさを楽しみながら散歩をしたものです。

古い木の凜とした姿になんか惹かれるものがあります。

年を重ねてきたごつごつとして曲がっている枝に見とれていて、ふと私の手に思いが行きました。なんせ考える時間がたっぷりあるので(苦笑)

ある夏に札幌で先輩とランチをしてました。

「その手どうしたの?」突然、先輩が聞きました。

「どうしたのって言われても、、、」

私の手の指は関節が太くなって、両手の人差し指と中指がちょっと曲がっているのです。

色々と理由を考えました。

「よく働いた人の手だね」と他の友人が言ったのを思い出しました。

アメリカの器具は、掃除機とか鍋など、全て大きいので、力が必要で日本人の手(私の手)には扱いにくくて、手がごつごつになってしまったのかもしれないと思いました。

娘に話したら、「そうじゃなくて、関節炎でしょう」と言われました。

速記官時代に速記タイプを打つときに、キーを叩いて打ってました。それが癖になって、コンピューターのキーボードも気がつくと叩いています。その上、早く打つために人差し指と中指だけを使って叩くので、指が曲がってしまったのかと思います。

関節炎だというのが正しいでしょう。正確には変形性指関節症(自己診断)だと思います。

ボトルをオープンするのが苦痛なのも関節炎のせいなのでしょう、幸いにもこの国は男性がさっとボトルをオープンしてくれるので、不自由はありません(笑)

父親に指が曲がってしまった話をしたら、「完全に曲がったら痛みが取れる」」と教えてくれました。父も指が曲がってたんだと気がつきました。もしかして遺伝?

関節が大きくなって指輪が似合わない手になってしまいました。

でも指輪が似合わなくなってしまったと嘆くのじゃなくて、好きな指輪をはめて(小指にしか入らない指輪もあるけれど)、シワシワでごつごつとした手をいとしむことにしました。

速記タイプ、原稿を書くときに叩くように打つコンピューターのキー、、、。

本当に頑張ってくれた手です。

長い間よく働いてくれてありがとう。これからも酷使するけどよろしくね。

古樹の曲がった枝、歴史を刻んで凜とした枝のように、ごっつくなってしまった手を誇りにしましょう。

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投票に11時間並びますか?

選挙の投票に11時間並んだというのは極端な例ですが、アメリカの激戦地(共和党が強い州)では、期日前投票に投票者たちは数時間並んでると報道されています。

日本の選挙で、長時間並んだというケースはないですよね。私は、あまりに長い列だったら、投票しないで帰ってしまうかもしれません。

長い列を辛抱強く待っている投票者の多くがアフリカ系アメリカ人です。

アフリカ系アメリカ人差別で有名なジョージア州では投票会場がオープンになる前に、多くの人が並んでいたそうです。有権者抑圧の長い歴史があるジョージア州では、長ーい列を作って何時間も待っても投票をするというのは、この選挙だけではありません。中西部、南部の共和党が強い州、例えばオハイオ州とかヴァージニア州も同じです。

共和党が主導権を握ってきた州は、有権者の抑圧(アフリカ系アメリカ人)を様々な形で行ってきた長い歴史があります。その抑圧を跳ね返して何時間かかっても投票するという決意に心打たれます。

「投票に魂を」のスローガンがブラックコミュニティのスローガンとしてツイートされています。

ジョージア州アトランタ市の黒人女性市長は、黒人差別反対に一生をささげた議員、今年の7月にがんで亡くなってしまったジョン・ルイス議員の言葉「投票は我々が持っている最もパワフルな非暴力の道具だ」という言葉をツイートしています。

今回の選挙では、アフリカ系アメリカ人に加えて低所得者層の人たちが、例年よりもずうっと多く、期日前投票に長い列を作って投票しています。コロナ感染を避けるために、11月3日の選挙日の混乱を避けて、なるべく混んでいないときに投票しようという意思です。

今回の選挙の期日前投票の長い列は、有権者の熱意を示しているということに加えて、投票を抑圧するために意図的に複雑に設置されたプロセスの結果でもあります。

私は10月20日に郵便局に予め郵送されていた投票用紙を投函してきました。

アメリカの投票日は11月3日ですが、オーソドックスに投票日に投票するのに加えて、期日前に投票する方法を選ぶことができます。

1.投票日前に郵便で送る。

2.期日前に設置されている投票用紙投函ボックスに入れる。

3.期日前投票をする。(州によって設定された日が違いますが、選挙当日と同じように投票場へ行って投票します)。

ちなみにアメリカでは投票用紙を受け取るためには登録しなければなりません。カリフォルニア州は民主党支持か、共和党支持か、独立か、を記載しなければなりません。これも州によって違うのです。細かい選挙システムは、州、さらに管轄地区が決めるという、本当に複雑な国です。

コロナウイルスの感染を避けるために特にカリフォルニアは郵便で投票することを進めています。これも州によって違うんですよね。

大統領とか議員候補者に印をつけるのは簡単なんだけど、カリフォルニアのproposition(私訳:規則の提案)が12,私が住むソノマの地区では local ballot measure(私訳:地方の投票による法案)が3あって、賛成か不賛成かを表記しなければなりません。TVで賛成派、反対派のCMが流れるのですが、判断が難しいです。法案の説明をした小冊子が送られてきます。カリフォルニアはとっても親切で、英語のほかに私の場合は日本語の小冊子も送られてきました。でも日本語のほうが難しいのです(苦笑)。英語も、娘曰く「弁護士でなきゃわかりにくいよね」というくらい、完全に読み込もうとすると難しいです。新聞の意見、「規則のサポートはどんな組織がしているのかを見るように」という娘のアドバイスで、なんとか理解できたかと思います。日本語はpropositionは州民発案法案と訳されていて、言い回しがややこしくて油が切れ始めている私の脳みそには、ピンと入ってこなくて、読むのを諦めました(涙)。

今年はコロナウイルス感染を避けるために郵便による投票を民主党は奨励しました。郵便による投票だと投票場まで行く車がない人や働いていて時間が取れない人などの多くは民主党に投票します。すると裕福な白人が対象の共和党は不利になります。歴史上、いろんな形で選挙の抑圧をして共和党支持州(レッドステート)として守ってきたのが、危うくなります。郵便による投票だと投票抑圧が困難です。いろんな方法で投票するのをくじけさせようとしていますが、例えばテキサス州では投函ボックスを民主党支持者が多い広大な管理地区に一個しか設置しないと州知事が決めたり、他州では郵便箱を年除いてしまったりと、あまりにもあからさまなので啞然としてしまいました。

レッドステートの様々な投票抑圧対策に反対して民主党が裁判所に訴える、民主党の選挙権を守る提案に共和党が反対して裁判所に訴える、そして控訴と、訴訟合戦が繰り広げられています。

日本も選挙汚染がありますが、こんなに複雑ではないですよね。

日本でも報道されてるかと思いますが、トランプ大統領が選挙制度の正当性を疑わせようと、いろんな発言や策略をしてます。アメリカの有権者は何とかして自分の一票が有効になる投票方法を模索していて、その現象の一つとしてコロナ感染を覚悟で期日前投票を選んでいるのだと思います。

すごい決意ですが、決して暗いムードではなくて、ボランティアが「デモクラシーをおいしくするピザ」と銘打って、並んでいる人たちにフリーで、ピザを配達している地区もあります。

今回の選挙では期日前投票者が圧倒的に多くて、5000万人がすでに投票したと報道されています。

11月3日前後に異常事態が起こらずに、選挙が無事に終わることを祈るばかりです。

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